保育士の転職活動で求人の中に「新設保育園」という文字を見たことはないでしょうか。
新設保育園の求人は、オープニングスタッフという事で「スタートラインが一緒」「人間関係に悩まない」といったうたい文句が多くみられるかと思います。
みんなが一緒のスタートというと、これから社会人になる新卒保育士からすれば、良いかも！と感じますよね。
実際に新設保育園の求人は良いものなのか、新設保育園２か所に実際に就職した私が感じた新設保育園求人の裏側を紹介したいと思います。
新設保育園に就職してみてのメリット・デメリット
私は新卒で新設保育園に入社し、その後転職してまた新設保育園の立ち上げに携わったことがあります。
新設保育園の魅力は何といっても「全員が同期」という事。
既存の保育園に就職したこともありますが、やはり新設保育園の立ち上げからいた時の方が、人間関係は良好に過ごせることができたと思います。
新卒で新設保育園に入所し、良かったことはもちろん悪かったこともありました。
新設保育園に新卒入社したメリット：人間関係の良好さ
新設保育園という事で、全員がその保育園に勤める同期。
そのため、同じく新卒で入社した保育士も多く、学生の延長のような居心地の良さがありました。
私が新卒で入社した新設保育園は、経験者の採用を渋っていたこともあり、職員の３分の２が新卒入社という状態でした。
先輩がいなかったので、人間関係の煩わしさは全くなかったですね。
新設保育園に新卒入社したメリット：幼児の担任を持たされる
保育園は乳児クラスであれば複数担任であることが多く、新卒で入社した保育士のほとんどが乳児クラスからスタートします。
先輩がいるので指導してもらいながら経験を積める事からも、多くの保育園で採用しているかと思います。
ですが、新設保育園の場合、全員が同じスタートなので幼児クラスの担任を持たせてもらえることも。
私も新卒で入社したその年は３歳児クラス２５人を新卒２人で見るというスタートでした。
もともと幼稚園希望という事もあったので幼児を持たせてもらえたことはラッキーでした。
新設保育園に新卒入社したデメリット：先輩がいないのですべてが手探り
新設保育園の中でも特殊な方で経験者がほとんどいなかったのが私が新卒で入社した保育園。
経験者がいないという事は、人間関係は良好に築くことができるものの、指導してくれる立場の人がいません。
３歳児２５人の命を預かったのは、私と新卒入社のもう一人。
右も左もわからないのに先輩の助言もなく、お手本もなく、ひたすら保育雑誌や実習を思い出して右往左往する毎日でした。
新設保育園に新卒入社したデメリット：保育園の内部も、保育方針もわからない
新設保育園は３月になるまで建物もできていないなんていう事がよくあります。
私が新卒入社した新設保育園も、転職で立ち上げた保育園も３月の中旬まで建物ができていませんでした。
そのため、入社試験を受ける時にはどんな保育園が建つのか、どんな保育方針の保育園なのかは全くわかりません。
１から創り上げるという楽しさはあるものの、右も左もわからない新卒からしてみると、舵取りが誰もいない船に乗せられたようなものなのでかなり不安でした。
新設保育園に新卒入社したデメリット：既存園がある場合すべてが同期ではない事も
新設保育園の最大のメリットは人間関係が良好に築くことができるという部分ですが、系列の既存保育園がある場合、新設保育園といっても半数が既存園で働いている保育士という可能性もあります。
既存園で働いている保育士が多数いる場合は、決定権や保育の方針を決めるのは異動してきた保育士の方が権力があります。
新卒入社で先輩が少ないから新設保育園を選ぶという考えの場合には、新設保育園の系列保育園はどのくらいあるのかチェックしておくと良いでしょう。
保育士としての経験を積みたいなら新設保育園はおすすめしない
新卒で保育士として入社する場合、新設保育園はあまりおすすめしません。
新設保育園はとにかく経験者が少ないので、全員が同期として働くことができるものの、指導してくれる先輩がおらず、新卒だけでクラスを回すなんていう事もあります。
保育士として長く務めていきたいと考えているのであれば、最初は違う保育園で経験を積み、その後転職という形で新設保育園の立ち上げに参加するという方法がお勧めです。
新卒で新設保育園に入社した時は、とにかく毎日が大変で、こどももうまくまとめることができない毎日でした。
その後違う保育園で経験を積み、現在新設保育園を立ち上げてからは、人間関係も良く環境も良いので産休育休を取得して長く勤める事が出来ています。
新設保育園には魅力もたくさんありますが、新卒保育士として入社するのであれば、新設保育園だけを狙うのではなく、他の保育園も視野に入れて考えてみてくださいね。
